標準的な格付アクション、格付付加記号及びデータに関するアクション並びに過去のアクション
フィッチは、その格付に関連して一定のアクションをとる。こうしたアクションは、格付対象先の相対的な信用力の変化(標準的な格付アクションを参照)又はサービシングの質の相対的な変化を示し得る。さらに、アウトルック又はウォッチに関するアクションが、格付変更の可能性に関する見通しを提供するほか(格付付加記号に関するアクションを参照)、その他の事象を示すアクションがある(データに関するアクション及び過去のアクションを参照)。
標準的な格付アクション
据え置き(Affirmed)*
格付を見直しの結果、変更不要と判断。
確認(Confirmed)
外部の要請又は条件変更に基づくアクション。いずれかの状況において格付を見直し、格付の変更は不要と判断。サービサー格付の場合は、当該サービサーの財務状況又は発行体デフォルト格付が変動した際に専らその点に関して格付を見直し、格付の変更は不要と判断。
格下げ(Downgrade)*
格付の引き下げ。
満期(Matured)*/全額償還(Paid-In-Full)
a. 「満期」 債券が償還期間の最終日に達し、格付が継続されなくなったとき、このアクションが用いられる。「M」の記号で示される。
b. 「全額償還」 このアクションは、債券が全額償還されたことを表す。残債務がないため、格付もなくなる。「PIF」の記号で示される。
新規格付(New Rating)*
従来格付されていなかった債券に格付が付与されたことを示すものであり、MTN又はこれに類するプログラムのように発行枠に基づく債券発行の場合などに用いられる。
適用終了(No Longer Applicable (NLA))
尺度の変更その他信用に関わらない事象により、過去に付与された格付の意義がなくなったことを示す。
期限前借換え(Prerefunded)*
フィッチが期限前借換えに関する第三者預託証書を評価した後、米国パブリック・ファイナンスの長期債務に付されたもの。
公表(Publish)*
フィッチのウェブサイト上に格付を初めて公開すること。必ずしも初めて付与された格付とは限らず、従来非公開格付であった場合、本アクションはいつそれが公表されたかを示す。
格上げ(Upgrade)*
格付の引き上げ。
取り下げ(Withdrawn)*
格付が取り下げられた結果、当該債券又は発行体にはもはやフィッチの格付が付与されていない。格付データベースでは、「WD」と示される。
格付付加記号に関するアクション
付加記号には、格付アウトルック、格付ウォッチ及び回収率格付が含まれる。
格付ウォッチ継続(Rating Watch Maintained)*
債券又は発行体を見直した結果、格付ウォッチを継続すること。
格付ウォッチ(Rating Watch On)*
債券又は発行体が格付ウォッチの対象となること。
格付ウォッチ見直し(Rating Watch Revision)*
格付ウォッチのステータスを変更すること。
サポート格付フロア見直し(Support Rating Floor Revision)
金融機関に関連するサポート格付にのみ適用され、このアクションによってのみ、その変更が行われる。
以下のアクションは、ストラクチャード・ファイナンスにのみ適用される。
アウトルック見直し(Revision Outlook)
格付アウトルックのステータスが、当該格付の本格的見直しとは独立して変更されること。
*格付アクションは、格付の経過期間管理に関するフィッチの方針を遵守していると認められるために、各格付ごとに既定の周期で記録されなければならない。全ての格付若しくはデータに関するアクション又は格付付加記号の変更がこの要件に該当するわけではない。当該要件が適用されるアクションについては、上述の定義において、「*」が付されている。
データに関するアクション
データに関するアクションとは、個別の発行体又は債券に対する格付の付与又は変更を示すものの、当該格付先の信用力のいかなる変化も意味しないアクションをいう。
削除(Deleted)
不正確又は信用関連以外の理由による、格付のフィッチのデータベースからの削除。
信用補完見直し(Revision Enhancement)
格付意見に影響を与えるある種の信用補完の追加又は削除。
IDRへの変更(Revision IDR)
発行体の長期又は短期格付が、発行体デフォルト格付に変換された場合。このアクションは、かかる変更が、格上げ又は格下げとはならない場合に用いられる。
格付見直し(Revision Rating)
新しい格付尺度の導入等、信用力に関連しない理由による格付の変更。
過去のアクション
格付プロセスが進化するなかで、フィッチでは、単一の目的のために設けられたアクションを用いることがあった。こうしたアクションは、格付履歴には残るものの、再び使用されることはない。
変更(Change)
銀行サポート格付が新格付基準を反映するために変更された。最後に用いられたのは2005年である。
データベースへの追加 (Database Add)
フィッチ・レーティングスのデータベースに初めて記載された格付。しかし当初付与された格付とは限らない。
ディストレスト回収率格付見直し(Distressed Recovery Rating Revision)
長期又は短期格付とは独立した、債券に対するディストレスト回収格付の変更。「ディストレスト回収率格付」は格付履歴においてのみ存在する。これは、2009年に回収率格付に置き換えられた。ストラクチャード・ファイナンス案件に対する回収率格付は、2011年11月に取り下げられた。
銀行の個別財務格付(Bank Individual Ratings)
銀行の個別財務格付は、AからFまでの尺度を用いて付与されていた。当該格付は、銀行が完全に独立しており、外部支援に依存できないとの想定のもと、当該銀行に対する評価を行おうとしたものである。これに代わって現在は、存続性格付が銀行に対して付与されている。
損失度格付変更(Loss Severity Rating Revision)
債券の長期又は短期格付とは独立した損失度格付の変更。
回収率格付見直し(Recovery Rating Revision)
事業債の長期又は短期格付とは独立した回収率格付の変更。ストラクチャード・ファイナンス案件に対しては、回収率格付の付与又は見直しはもはや行われない。
MMFに関する変更(Revision MMF)
当該格付がマネーマーケットファンドに対するものであることを示すために、MMFの付加符号が加えられた。当該アクションは、2010年1月に完了した。
アウトルックの変更(Revision Outlook)
事業法人又は米国パブリック・ファイナンス・セクターで、当該格付の本格的な見直しを反映するための、当該格付に対する格付アウトルックの変更。
格付取り下げ - 期限前借換え(Withdrawn - Prerefunded)
フィッチが、借換えのための第三者預託証書に基づき、債券に対する格付付与を依頼されていない場合において、期限前借換えの対象となった債券に対して格付がもはや付されていないことを示す。
取り下げ
フィッチでは、格付の取り下げに先立つレビューに際し、様々な要因を考慮する。法人は、合併の過程で、又は、倒産により、消滅し得る。格付対象の案件は、全額償還され得る。フィッチにおいて入手可能な情報が、格付を維持するうえで不十分な場合もある。これは、発行体が証券取引所から上場廃止となる場合又はフィッチへの協力を止めた場合に、その後の公開情報では格付を維持するうえで不十分となることにより生じ得る。最後に、フィッチでは、市場の関心、セクター・カバレッジ又は資源配分の水準に基づき、分析対象からの除外に至った場合、格付を取り下げる場合がある。
予定どおり全額弁済された案件を除き、公開格付の取り下げは、全て、格付アクション・コメンタリー上で開示され、フィッチのウェブサイトに公表されると共に、格付情報用の電子媒体を用いて提供される。格付取り下げの公表においては、通常、格付が取り下げられた旨、取り下げ時点における格付水準、取り下げの理由及び分析対象から今後除外される旨が示される。
取り下げは、格付アクションの機先を制するために用いられてはならない。それゆえ、取り下げ時の格付意見が最新の見解を反映するようあらゆる努力がなされる。重大な不確実要素が残っている場合(例えば、株式公開買い付けの対象となっている発行体の格付)、又は、その他の理由により格付意見の変更を裏付ける情報が不十分である場合、フィッチは、取り下げの開示に際し、格付が維持されていたとすれば想定される全ての格付変更の方向性及び度合いを、可能な場合には示すように努める。
本定義集において、ストラクチャード・ファイナンス(資産証券化商品を含む。)に適用されるべき事項は、その各細目(ABS、CDO、CMBS、RMBS、その他のストラクチャード・ファイナンス商品)に共通して適用される。
本定義集のうち、フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社が現在付与行為を行っていない又は予定していない格付その他の形態の意見の種類は以下のとおりである。
※ 国内信用格付
※ 信用格付以外の格付