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MUFGの1兆円増資は格付にプラスの影響とコメント
2009年11月19 日 16:15
フィッチ・レーティングス−東京/シンガポール−2009年11月19日:
フィッチ・レーティングス(フィッチ)は本日、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)による1兆円の増資が行われれば、MUFGの子会社である株式会社三菱東京UFJ銀行(BTMU、「A」/安定的)および三菱UFJ信託銀行株式会社(MUTB、「A」/安定的)の格付にプラスの影響を及ぼすとコメントした。
フィッチでは、今回の普通株式による増資は、将来的にコア資本の定義が厳格化した際にも、MUFGが十分なコア資本を維持するのに貢献すると考えている。2009年9月末におけるMUFGのコア資本比率は、優先株、優先出資証券、繰延税金資産を控除した場合、約6%とフィッチでは試算している。しかしフィッチの推計によると、現在は控除項目でないその他の無形固定資産(MUFGの場合は大半がソフトウェア)も控除された場合、MUFGのコア資本比率は5.5%程度まで低下する。MUFGによる1兆円の増資が行われ且つリスク資産が今後大きく増加しない場合、その他無形固定資産が控除項目となった際にも、MUFGのコア資本比率は約6.5%程度になる見込みである。
フィッチでは、MUFGが保有するMorgan Stanley(MS、「A」/安定的)の優先株式が普通株式に転換し、MSがMUFGの持分法適用会社となった場合、MUFGの資本基盤に負荷がかかる点を認識している。現在の規制では、当該投資分は自己資本の総額より控除されるため、コア資本およびティア1資本に直接的な影響を与えない。一方、新しいコア資本の定義においては、この投資もコア資本として扱われなくなる可能性があるが、その際でも1兆円の増資が行われれば、MUFGのコア資本比率は5.5%を上回る水準は維持できるものとフィッチでは試算している。
フィッチはさらに、今回の増資により今後の資産の質の劣化に対するバッファーが強化された点を評価している。MUFGも含めた大手邦銀の貸出資産の質は悪化傾向にあるが、一方で政府は日本の銀行に対し、特に中小企業向け貸出を伸ばすよう求めている。MUFGは今回の増資の目的を国際的にも十分なコア資本基盤を維持しつつ、新規貸出に応じることとしている。
フィッチは、増資の進捗状況、直近の財務状況、ならびにMSとの経営統合に係る計画の変更がMUFGグループの収益とリスク・プロファイルに与える影響を考慮し、MUFG傘下子銀行の格付を見直して行く。
2009年11月18日、MUFGは1兆円を上限とし2009年11月26日から2010年11月25日の期間中に新普通株式を発行する計画を発表した。同時に、三菱UFJ証券株式会社とモルガン・スタンレー証券株式会社(MSJapan)の経営統合計画の変更も発表した。変更後の計画によると、当初の予定と異なり、両社の共同設立証券会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(MUFJ-MSS)にはMSJapanの投資銀行業務以外の業務は含まれないこととなった。MSJapanの投資銀行業務以外の業務はモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社となり、49%の持分はMUFGが保有するが、引き続きMSの連結対象事業となる。MSJapanの投資銀行業務を包括したMUFJ-MSSの持分については、MUFGが60%、MSが40%である。
MUFGの2010年3月期第2四半期決算も同日に発表となった。MUFGの第2四半期末のティア1資本比率は、第1四半期より更に改善し9.13%となった。これは主に優先出資証券の新規発行(発行の発表は第1四半期に行われていたが、実際の払い込みが第2四半期中であった)と有価証券投資の評価損が解消されたためである。収益性は年間予想に沿った結果となった。貸出資産の質は悪化しているが、引当金控除後不良債権額は依然として貸出残高の4.8%、ティア1資本の0.5%と限定的な水準に留まっている。
(本稿は原文「Fitch: Japan's MUFG's JPY1trn Common Issuance Positive for Ratings」(2009年11月19日付)をもとに作成されています。)
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