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その他専門分野格付の尺度

 

さらにフィッチでは、その他の分野に関するスペシャリストに対する格付も行っている。商業用不動産ローン、住宅ローン及びその他の資産タイプのサービサーには、オペレーショナル・リスク格付が付与される。

アセット・マネージャー格付は、アセット・マネージャー及びトラスティー(受託者)等の相対的な運営能力や財務能力についての見解を示すものである。ファンド又は地方自治体投資プールに対しては、ファンド信用格付又はボラティリティ格付が付与される。これらの格付の多くは国際格付であるが、場合によっては、国内ベースで格付の付加符号や識別符号が適宜付されたうえで提供される。

 

サービサー格付

 

一般のサービサー格付

商業用不動産ローン、住宅ローン、不動産以外の資産を担保とするローン又は無担保ローンは、プライマリーサービサー、マスターサービサー又はスペシャルサービサーにより管理回収が行われ得る。これら3種類のサービサー全てが関与する場合もあり、又は、1種類若しくは2種類のサービサーのみ関与する場合もある。多様な組み合わせがある理由としては、案件の経過年数、ローンの複雑さ、プライマリーサービサーの能力、現在の、又は、予想される延滞の状況、サービサーによる立替払い(advancing)の必要性の有無などがある。

 

格付の定義

 

サービサー格付は、商業用不動産担保証券(CMBS)、住宅ローン担保証券(RMBS)及び資産担保証券(ABS)を効率的に管理・回収するサービサー能力の指標となることを、意図したものである。サービサー格付は、当該サービサーのサービシング事業における経験、経営陣、従業員、研修プログラム、手続、内部統制、システムなどについてのフィッチの分析を、具体的に表明するものである。財務の状態が格付に及ぼす影響は、オペレーショナル・リスク格付では限定的であり、業務上の強みが、財務状況によって直接的な影響を受け得る要素についてのみ関係することになる。そのためフィッチのサービサー格付は、財務状況からは相当程度独立して、サービサーの特性に焦点を当てる。

商業用不動産担保付債権、住宅ローン、少額商業用不動産担保付債権及び資産担保付債権等のサービサーについて、フィッチでは1を最上級として1〜5の尺度を用いて格付を行う。サービサー格付は、現在証券化されていない資産のサービサーに対しても付与され得る。サービサー格付上、まず「C」、「R」、「SB」又は「AB」等の接頭記号によって資産クラスが示される。「R」は住宅ローン、「C」は商業用不動産担保ローン、「SB」は少額商業用不動産担保ローン、「CLL」は商業用不動産担保ラージローン、「AB」は資産担保及び/又は無担保ローンであることを表している。資産クラスを示す接頭記号の次にサービサーの種類を示す記号が表示される(プライマリーサービサーは「PS」、マスターサービサーは「MS」、スペシャルサービサーは「SS」、コンストラクション・ローン・サービサーは「CLS」)。そして最後に、サービサーの格付水準が示される。なお、各水準に対して、「+」(プラス)又は「−」(マイナス)の符号を付加し、序列を差別化する場合がある。

 

レベル 1 サービサー格付(ABPS1、ABMS1、ABSS1、CPS1、CMS1、CSS1、CCLS1、CLLSS1、RPS1、RMS1、RSS1、SBPS1、SBSS1)

総合的なサービシング能力が、最高水準であるサービサー。

 

レベル 2 サービサー格付(ABPS2、ABMS2、ABSS2、CPS2、CMS2、CSS2、CCLS2、CLLSS2、RPS2、RMS2、RSS2、SBPS2、SBSS2)

総合的なサービシング能力において、高い実績を示しているサービサー。

 

レベル3 サービサー格付(ABPS3、ABMS3、ABSS3、CPS3、CMS3、CSS3、CCLS3、CLLSS3、RPS3、RMS3、RSS3、SBPS3、SBSS3)

総合的なサービシング能力において、一定の熟練度を示しているサービサー。

 

レベル 4 サービサー格付(ABPS4、ABMS4、ABSS4、CPS4、CMS4、CSS4、CCLS4、CLLSS4、RPS4、RMS4、RSS4、SBPS4、SBSS4)

一つ又は複数の分野におけるサービシング能力が脆弱であり、一定の熟練度に到達していないサービサー。

 

レベル 5 サービサー格付(ABPS5、ABMS5、ABSS5、CPS5、CMS5、CSS5、CCLS5、CLLSS5、RMS5、RPS5、RSS5、SBPS5、SBSS5)

サービシング能力において熟練度が限定的、又は、熟練していないサービサー。

 

レベル1のサービサーは、あらゆる分野で最高の効率性と生産性を発揮していることが期待される。レベル1のサービサーの特徴としては、以下の点が含まれ得る。

 

  • ローンの種類、不動産の種類、地理的集中などの点において多様なポートフォリオの管理・回収を行う専門能力の実証
  • 長期間にわたって共同して業務を行ってきた非常に経験豊かな経営陣
  • 離職率がきわめて低い安定した従業員基盤
  • 非常に堅固で安定した財務力
  • 全ての従業員が容易に利用可能な、詳細に文書化されかつ完全な規程・マニュアル類
  • 各種の有用な報告書作成能力を備えた完全に統合化された柔軟なシステム

 

レベル2の格付を取得したサービサーの特徴には、以下の点が含まれ得る。

 

  • 多様なポートフォリオの効率的な管理
  • 共同して業務を行ってきた経験豊かな経営陣
  • 安定した従業員基盤
  • 堅固で安定した財務力
  • 詳細に文書化されかつ完全な規程・マニュアル類
  • 強固なシステム及び報告書作成能力

 

レベル3の格付を取得したサービサーの特徴には、以下の点が含まれ得る。

 

  • 多様な種類のローンの回収に習熟していることが実績により明らかなこと
  • ポートフォリオの規模に見合う概ね十分な財務基盤
  • 実効性のある内部統制力
  • 従業員の配置及び研修の習熟を裏付ける実績
  • 包括的な規程・マニュアル類の完備
  • マスターサービサーについては、プライマリーサービサー及びその他サブ・サービサーのモニタリングについて経験を持ち、そのための内部管理体制を確立していなければならない
  • スペシャルサービサーについては、不良債権処理と担保処分について概ね十分な経験があることを証明しなければならない

 

レベル4の格付を取得するサービサーは、追加的な支援やストラクチャー上の要素が加味されない限り、CMBS又はRMBS案件の格付においてフィッチが用いるサービシング基準に適合しない。以下のような状況を理由として、レベル4の格付が付される場合がある。

 

  • 特定の種類のサービシングを手がけた、又は、特定の種類の債権を取り扱った期間の長さや経験
  • 処理が完了しておらず、又は、結果の評価が完了するに至っていない最近のできごと(特に合併、買収、経営陣の交代、システムの切り替えなど)
  • 当該サービサーに固有の懸念又は問題点

 

レベル5の格付を付与される住宅ローン・サービサーは、大幅な追加的支援やストラクチャー上の要素が加味されない限り、業務、プロセス又は財務状況などにおいてRMBS案件についてのフィッチの格付基準を満たさない側面を有する。